北海道旅行をしていると、必ず目につくのが交通事故にあった野生動物の姿。
一般道路を半日も走れば、数頭は道路脇に横たわっているのが北海道の野生動物の交通事故事情です。

特にレンタカーで旅行している、北海道外の人は野生動物が道路に飛び出て来ないと思っているのか、道路脇に野生動物がいても減速しない人が多いです。

事故になれば野生動物は死んでしまう事が多く、怪我をすれば自然環境で生存して行くのは非常に困難になってしまいます。

そんな事故が少しでも減る事を願って、よく事故にあう野生動物を交通事故防止からの目線で、私の経験を元に特徴をまとめました。



エゾシカ


北海道のエゾシカは増え続けていて、農作物への被害が深刻な問題となっています。
それと比例して交通事故も多く、エゾシカは身体が大きい事から(体重150kgを超える個体もいる)、乗用車だと事故で自走不可能な状態になる事も多々あります。
また衝突したエゾシカが、フロントガラスを突き破って車内に飛び込み、乗っている人が亡くなる事故もおきています。

エゾシカが原因となる交通事故は、北海道で年間約2000件おきています。
CF5768C0-A86A-4582-9560-EAD813A3ED4F

【エゾシカの特徴】
・時間帯→夕方から朝方に道路脇に出てくる事が、比較的多い。

・生息場所→各峠道は個体数が多く、かなり頻繁に見かけます。最近は個体数の増加から、街の周辺でも見かけるので油断はできません。

・発見のしやすさ→身体が大きい割に意外にも保護色になっていて、夏冬関係なく動いていないと発見が遅れる事があります。

・逃げ方→群れは同じ方向に逃げるとは限らず、一旦散る事もあります。
しかも逃げる際、道路をワザワザ横断してから群に戻ろうとする個体もいたり、動きは読みにくいです。(群全体が車の前をワザワザ横切って逃げる事もある)
アスファルトの上を走るのは得意ではなく、よく転んだりします。

・特殊な行動→10月〜11月の繁殖期は攻撃的になり、特に気が荒くなっています。
道路上にエゾシカの群れがいて、避けてくれなくてクラクションを鳴らしたら、オスのエゾシカにツノで頭突きされ、車を凹まされた人を2人知っています。


キタキツネ、タヌキ


キタキツネ、タヌキは共に1年中どこでも見かける野生動物で、観光客が餌を与えたりするので、人馴れして問題になっています。(地元の人は、エキノコックス症を知っているので近づきません)
エキノコックスはキタキツネだけではなく、タヌキも感染している場合があります。
エキノコックス症とは、エキノコックスに寄生されている動物の糞中の卵胞が、人間の口に入る事で主に肝臓に寄生し発症します。(沢の水等も卵胞が存在する危険があります)
なので、人の手によって管理されていない野生動物と接触するのは避けるべきです。
エキノコックスに人が感染すると、潜伏期間は長いですが発症して放置した場合、5年後生存率は30%と言われています。
A8B5E85D-3E00-4EF8-8FD5-9389CF0DCE6C

【キタキツネ、タヌキの特徴】
・時間帯→昼夜問わず見かけます。夜間は特に道路上に居て、車にぶつかって落ちた昆虫などを食べに来ています。

・生息場所→どこにでも居ます。最近では街中に住み着いている個体もいます。

・発見のしやすさ→堂々と道路脇を歩いているので、意外と見つけやすいです。夜間は遠くで目が反射して光るのを確認したら、スピードは落としておいた方が良いでしょう。

・逃げ方→昼間は車を警戒して、あまり道路に飛び出てきませんが油断はできません。
子供のキタキツネとタヌキは、かなりの確率で飛び出してくるので特に注意が必要です。
また子供は車に驚いて、道路上で動けなくなったりします。
夜間はヘッドライトで目が眩んで、パニックになって突然飛び出てくる事が多いので注意が必要です。

・特殊な行動→人馴れしている個体は、パーキングエリア等で観光客が餌をくれるのを待っています。
車通りの多い所をテリトリーとするので、事故に巻き込まれる事もあります。
また、先程も書いたように寄生虫を持つ可能性があるので、接触しないように(落ちている糞にも注意)しなければなりません。
そもそも野生動物に餌を与える行為自体がダメです。


大型の猛禽類


海岸線沿いの国道で、事故にあったオジロワシやオオワシ、タカを見かける事があります。
オジロワシは翼開長が240cm、オオワシは翼開長250cmにもなる、飛んでいる姿が非常に迫力のある猛禽類です。
A8C76BE6-87EA-4CB0-9A58-2E00A8B46664

【大型の猛禽類の特徴】
・時間帯→早朝から夕方まで。

・生息場所→海岸線沿いの道路で、街灯や標識にとまっている事が多いです。オホーツク海側でよく見かけます。

・発見のしやすさ→見通しの良いところにとまり、休んでる事が多いので発見はしやすいですが、道路上に降りて来ていると、身体の色が地味なので見え難くなります。

・逃げ方→猛禽類の特徴かもしれませんが、車に気がついて飛んで逃げても、しばらくは地面に近い所を飛び上昇しません。
そうしてる間に、トラックに巻き込まれたりします。
また視野が狭いのか獲物を見つけると、走行中の車の直前だろうが構わず急降下して飛び込んできます。
上を見てオオワシ等が飛んでる時は、イキナリ降りてくる事を警戒しながら走行した方が良いです。

・特殊な行動→事故にあった動物の肉を狙って、さらに事故会うケースがあります。


ヒグマ


車を運転していてヒグマを目撃したのは、人生で2回だけです。
学生時代に専門学校の教師がオトナのヒグマと衝突し、クルマは大破。
ヒグマは元気に山に帰っていったという、新聞にも載った事故がありました。

ヒグマは過去に520kgの個体が捕獲された事もあり、非常に大型の哺乳類です。
(平均的なヒグマ)
オス 体長約1.9〜2.3m 体重約120〜250kg
メス 体長約1.6〜1.8m 体重約150〜160kg
E8873534-F5F4-4313-B544-5C773A9E9BD5

【ヒグマの特徴】
・時間帯→道路上で見かけたという話は、知人の中では朝方が多いように思います。
私は早朝1回、夕方1回です。

・生息場所→全道各地で個体数が増えているので、過密状態。
弱いヒグマほど、餌の豊富な場所から追われ、人里近くに出てきているのでは、とも言われています。

・発見のしやすさ→体毛が黒っぽいので、道路脇にいると結構目立ちます。

・逃げ方→身体に似合わず、走るのはすごく速いです。
クルマに気がつくと、あっという間に道路を横切り走って逃げました。
ただ2回しか遭遇してないので、動きはよくわかりません。

・特殊な行動→観光客のヒグマへの餌付けが、大きな問題になっています。
ヒグマの人への警戒心がなくなり、餌を求めてクルマや人に寄ってくる個体数が増えています。
北海道では毎年、ヒグマに襲われて人が亡くなる事故が起きているので、餌付けするなど身勝手な行為は絶対にしてはいけません。


その他、道路で見かける動物


クルマで走行中に見かけるのが、リス、ウサギ、カラスです。
D753F312-0140-4522-B966-DD46FA38FF53

・リスについては、道路を直角方向に一直線に横断していきますが、突然立ち止まる事があるので注意して下さい。

・ウサギはパニックを起こして、クルマの前を同じ方向に走って逃げる事が数回ありました。
左右ジグザグに走りますが、驚くほど足が速いです。

・カラスは賢いので、最小限の動きでサッと避けてくれますが、巣立ち時期は注意が必要です。
7月頃は巣立ちしたカラスが事故に遭いやすく、かなりの数が事故に遭っているをみかけます。

また賢いカラスは、クルミを車に踏ませて割るという行動をする個体もいて、なかには走行中の車に直接クルミを落下させぶつける、という荒技を繰り出すカラスもいます。
私も走行中にぶつけられた経験があり、フロントガラスが割れたかと思いました。
フロントガラスが割れれば事故になるので、こんな事にも注意が必要です。


今回は私の経験をもとに、普段から遭遇する動物達の道路での行動について書きました。
いずれにせよ相手は野生動物です。
見かけた時は、安全に止まる事が出来るスピードに落とす事が事故防止には大事なので、それを原則にして北海道旅行を安全に楽しんでください。

以上、「【北海道旅行の危険】野生動物との交通事故、ドライバーから見た動物の行動」でした。